サイバー攻撃がどんどん巧妙になっていく中、韓国のセキュリティ企業SKシールドズが最新のAI基盤セキュリティシステムを発表しました。企業向けの話ではありますが、実は個人にとっても非常に参考になる内容なんです。
企業が直面するサイバー攻撃の現実
現役のCSIRTメンバーとして、数多くのサイバー攻撃事例を見てきましたが、最近の攻撃は本当に手口が巧妙になっています。従来のセキュリティ対策では「攻撃されてから対応する」という後手に回るパターンが多かったのですが、今回のSKシールドズの取り組みは「攻撃される前に察知して防ぐ」という先制的なアプローチです。
例えば、ある中小企業で実際にあった事例ですが、管理者アカウントが乗っ取られた際、普段は平日の昼間しかアクセスしない管理者が深夜2時にシステムにログインしていることをAIが検知し、即座にアラートが発生したケースがありました。このように、人間では気づきにくい微細な異常もAIなら察知できるんです。
個人レベルでも応用できるセキュリティの考え方
企業向けのシステムは高額で個人では導入できませんが、この「先制的に脅威を察知する」という考え方は個人でも応用できます。
まず基本となるのが、信頼できるアンチウイルスソフト
の導入です。最新のアンチウイルスソフト
は従来のパターンマッチング方式だけでなく、AIを活用した振る舞い検知機能も搭載しており、未知の脅威にも対応できるようになっています。
個人が狙われやすいサイバー攻撃パターン
フォレンジック調査で頻繁に遭遇するのが以下のようなケースです:
1. フィッシング攻撃による情報漏洩
ある個人事業主の方が、銀行を装ったメールからログイン情報を盗まれ、事業用口座から数百万円が不正送金された事例がありました。この場合、事前にアンチウイルスソフト
がフィッシングサイトへのアクセスをブロックしていれば防げた可能性が高いです。
2. ランサムウェア攻撃
在宅ワーカーのPCがランサムウェアに感染し、家族の写真から仕事のデータまで全て暗号化されてしまった事例も少なくありません。この方は結局身代金を支払ったものの、データは完全には復旧されませんでした。
3. 公衆Wi-Fi経由の情報窃取
カフェの無料Wi-Fiを使用中に通信が傍受され、SNSアカウントやオンラインバンキングの情報が盗まれるケースも増えています。こうした場合、VPN
を使用していれば通信が暗号化され、情報漏洩を防ぐことができます。
個人でできる先制的セキュリティ対策
企業のようなAI管制システムは導入できなくても、個人レベルでできる対策はたくさんあります:
基本的なセキュリティ対策
– 信頼できるアンチウイルスソフト
の導入と定期更新
– OSやソフトウェアの自動アップデート設定
– 強固なパスワードの設定と二要素認証の有効化
通信セキュリティの強化
外出先でのインターネット利用時はVPN
の使用を強く推奨します。特にオンラインバンキングやショッピング、重要なメールのやり取りをする際は必須と考えてください。
異常の早期発見
– 銀行やクレジットカードの利用明細を定期的にチェック
– SNSやメールアカウントの不審なログイン履歴の確認
– PCの動作が急に重くなったりする異常の察知
まとめ:個人も企業レベルのセキュリティ意識を
SKシールドズのようなAI管制システムの発展は素晴らしいことですが、個人レベルでも「攻撃されてから対応する」のではなく「攻撃される前に防ぐ」という意識が重要です。
適切なアンチウイルスソフト
とVPN
の組み合わせ、そして日常的なセキュリティ意識があれば、多くのサイバー攻撃から身を守ることができます。デジタル社会で安全に生活するために、ぜひこれらの対策を検討してみてください。