驚愕の事実!日本がサイバー攻撃の最大標的に – フォレンジック専門家が語る証券口座乗っ取りの実態と対策

私は長年フォレンジックアナリストとして活動し、現在はCSIRTの最前線でサイバー攻撃の分析を行っています。最近、日本を標的とした攻撃の激増に正直驚愕しています。数字で見ると、その深刻さがよく分かります。

日本が世界最大のサイバー攻撃標的になった衝撃の現実

Proofpointの調査データを見て、私は思わず二度見してしまいました。2025年4月時点で、全世界のメール攻撃の83.6%が日本を狙っているんです。これは異常事態と言えるレベルです。

2024年12月の新種メール攻撃が月間2億6200万通だったのが、2025年2月には5億7500万通まで急増。しかもその80%以上が日本向けということは、私たち一人ひとりが攻撃対象になっているということです。

生成AIが変えたフィッシング詐欺の質

以前なら「怪しい日本語だから詐欺メール」と判断できましたが、今は違います。ChatGPTなどの生成AIにより、完璧な日本語の詐欺メールが大量生産されているんです。

実際に私が分析した事例では、某大手証券会社を装ったフィッシングメールが、公式メールと見分けがつかないほど精巧に作られていました。文面、レイアウト、ロゴまで完璧に再現されていて、IT関係者でも一瞬騙されそうになるほどでした。

証券口座乗っ取りの巧妙な手口「ポンプ・アンド・ダンプ」

最近特に深刻なのが証券口座を狙った攻撃です。私が対応した事例では、被害者の証券口座が乗っ取られ、保有株が勝手に売却された後、中国株が大量購入されていました。

実際の被害事例から見る攻撃手法

【事例1:都内在住50代男性のケース】
フィッシングメールから偽サイトにアクセス→ログイン情報窃取→保有していた国内株式200万円分を売却→流動性の低い中国株を同額購入

この手口の恐ろしさは、犯人が事前に同じ銘柄を安値で仕込んでおき、複数の乗っ取った口座から一斉に買い注文を入れて株価を操縦することです。株価が吊り上がったタイミングで犯人の口座の株を売却し、巨額の不正利益を得る「ポンプ・アンド・ダンプ」という手法です。

金融庁の発表によると、2025年4月の不正アクセス件数は4852件、被害総額は約1481億円に達しています。これは1月の65件、約0.8億円から激増しており、事態の深刻さを物語っています。

CoGUIフィッシングキットが日本を狙い撃ち

現在の攻撃の多くに使われているのが「CoGUIフィッシングキット」という高度なツールです。これは言わば「詐欺師向けの便利ツール」で、以下のような機能があります:

  • ジオフェンシング:特定の地域(日本)だけを狙い撃ち
  • ヘッダーフェンシング:セキュリティソフトの検知を回避
  • フィンガープリンティング:ブラウザの種類を識別して最適化

私が解析したCoGUI製の偽サイトは、一般的なアンチウイルスソフト 0では検知が困難なほど高度でした。URLも本物そっくりで、SSL証明書まで偽造されているケースもありました。

フォレンジック専門家が推奨する実践的対策

1. メール・SMS対策の徹底

メールやSMSのリンクは絶対にクリックしない習慣を身に付けましょう。正規サイトには必ず:

  • 公式アプリからアクセス
  • 検索エンジンで正式なサイト名を検索してアクセス
  • ブックマークからアクセス

2. 多要素認証の必須設定

パスワードだけでは不十分です。SMS認証やアプリ認証を必ず設定してください。実際、多要素認証が設定されていた口座では、パスワードが漏えいしても被害を防げた事例を多数確認しています。

3. VPN の活用

公共Wi-Fiや怪しいネットワークからアクセスする際は、VPN 0の使用を強く推奨します。通信の暗号化により、中間者攻撃やデータ盗聴を防げます。

4. パスワード管理の強化

パスワードの使い回しは絶対禁止です。パスワード管理アプリを使用し、サービスごとに独自の複雑なパスワードを設定しましょう。

企業向け対策のポイント

中小企業の経営者の方も他人事ではありません。私が対応した事例では:

【事例2:従業員20名の製造業】
経理担当者がフィッシング詐欺に遭い、取引先を装った偽メールから会社の銀行口座情報が漏えい。結果的に300万円の不正送金被害が発生。

企業では以下の対策が不可欠です:

  • 従業員向けセキュリティ教育の定期実施
  • メールセキュリティシステムの導入
  • 重要な手続きは複数人でのチェック体制構築
  • 定期的なアンチウイルスソフト 0の更新とフルスキャン

まとめ:油断が最大の敵

フィッシング詐欺は「自分は大丈夫」という油断が最大の敵です。現在の攻撃は非常に高度で、IT関係者でも騙される可能性があります。

特に注意すべきタイミング:

  • 寝起きや疲れているとき
  • お酒を飲んだ後
  • 急いでいるとき
  • スマホで操作しているとき

少しでも怪しいと感じたら、必ず立ち止まって確認する習慣を身に付けてください。被害に遭ってからでは手遅れです。

フォレンジック調査を行う立場として、被害者の方々の無念さを日々感じています。しかし、適切な対策を講じることで、これらの被害は確実に防げます。ぜひ今日から実践してください。

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