企業のサイバー攻撃対策が限界?個人も知っておくべき新しいセキュリティの考え方

最近、企業のIT環境がどんどん複雑になっていることをご存知でしょうか?クラウドサービスを使ったり、スマホで仕事をしたり、便利な外部ツールを導入したりと、確かに働きやすくなりました。でも実は、これって攻撃者にとっても「狙いやすい入口」が増えたということなんです。

従来の「城壁型」セキュリティでは限界がある

今まで多くの企業は、社内ネットワークを城壁で囲むように守る「境界防御」に頼ってきました。でも、働き方が変わって社外からアクセスすることが当たり前になった今、この方法だけでは足りなくなってきているんです。

フォレンジック捜査の現場でも、最近は「気づいた時にはもう手遅れ」というケースが増えています。例えば、ある中小企業では偽のフィッシングサイトで従業員の認証情報が盗まれ、そこから社内システムに侵入されて数ヶ月間データが抜き取られていた、なんてことも。

注目される新しいアプローチ:ASMとERM

そこで注目されているのが、ASM(Attack Surface Management:攻撃対象領域管理)とERM(External Risk Management:外部リスク管理)という考え方です。

簡単に言うと、「攻撃者に狙われそうな場所を外から監視して、先手を打とう」というアプローチです。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの専門家も、「攻撃者の行動を早期に察知することが重要」と指摘しています。

個人レベルでも対策が必要な理由

「でも、これって企業の話でしょ?」と思うかもしれませんが、実は個人にも関係があります。

現役CSIRTとして数多くのインシデント対応をしてきた経験から言うと、個人のデバイスやアカウントが企業攻撃の足がかりになるケースが本当に多いんです。

例えば:
– 個人のスマホが感染して会社のシステムにも影響
– プライベートで使っているパスワードを仕事でも使い回していて被害拡大
– 家庭のWi-Fiが乗っ取られてテレワーク環境が丸見え

個人ができる実践的な対策

企業レベルのASMやERMは導入が大変ですが、個人でもできることはたくさんあります。

まず基本として、信頼できるアンチウイルスソフト 0を導入することは必須です。最近のサイバー攻撃は巧妙化していて、見た目では判断できない脅威が増えています。

また、外出先でのインターネット利用や、海外サイトへのアクセス時にはVPN 0の利用も検討してください。特にフリーWi-Fiを使う機会が多い方は、通信を暗号化することで盗聴のリスクを大幅に下げることができます。

まとめ:守りから攻めの姿勢へ

企業のセキュリティ対策が「守り」から「先手を打つ」方向に変わっているように、個人も受け身の対策だけでなく、積極的にリスクを管理する姿勢が大切になってきています。

完璧なセキュリティは存在しませんが、基本的な対策をしっかりと行うことで、リスクを大幅に下げることは可能です。特に、仕事とプライベートの境界が曖昧になっている今だからこそ、個人レベルでのセキュリティ意識向上が重要だと言えるでしょう。

一次情報または関連リンク

企業が利用するIT環境は、クラウドやモバイル、外部サービスなどに拡大してユーザーの利便性が向上した反面、攻撃者から見た「入口」は増加している

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