東京国立博物館の偽サイトが検索上位に!フィッシング詐欺の巧妙な手口と対策法

最近、東京国立博物館の偽サイトが検索エンジンの上位に表示されるという事例が報告されています。現役のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)として、この手口の危険性と対策について詳しく解説します。

東京国立博物館を騙る巧妙なフィッシング詐欺の実態

2024年末から確認されている東京国立博物館の偽サイト(https://tnm-museum[.]world/)は、検索エンジンで上位表示されるという非常に巧妙な手口を使っています。

正規の東京国立博物館のドメインは「https://www.tnm.jp/」ですが、詐欺サイトは「tnm-museum.world」という一見すると正規サイトのように見えるドメインを使用しています。

検索エンジンを悪用した手口

この偽サイトは以下のような検索キーワードで上位表示されます:

  • 「東京国立博物館 交通 料金表」
  • 「tokyo national museum tickets」

特に訪日観光客や海外在住者を狙った国際的な詐欺の可能性が高く、日本、シンガポール、UAE(アラブ首長国連邦)などで確認されています。

フィッシング詐欺の具体的な手口

私がフォレンジック調査で見てきた事例では、このような詐欺サイトは以下のような段階的な手口を使います:

1. 偽のチケット購入ページへの誘導

ユーザーがチケット購入を選択すると、偽のアソビューチケット購入ページに遷移します。見た目は本物そっくりに作られており、一般の利用者では見分けがつかないほど精巧です。

2. 個人情報の収集

次に、個人情報を入力する偽ページが表示されます。詐欺師たちは信頼性を高めるために、プライバシーマークまで偽造して表示しています。

3. 偽のStripe決済ページ

最終的に、偽のStripe決済ページ(https://stripe-payments[.]org/)に遷移し、クレジットカード情報を窃取します。

なぜ偽サイトが検索上位に表示されるのか

フォレンジック調査の現場で見てきた経験から、詐欺グループは以下の手法を使って検索エンジンの上位表示を狙います:

中古ドメインの悪用

権威性のあるドメインを購入し、それを悪用するケースが増えています。実際に以下のような事例があります:

  • マカフィーの旧ドメインサイト(https://blogs.mcafee.jp/)が中古ドメインとして販売され、一時的に不適切なサイトとなった
  • コロナ関連の公的サイトのドメインが買収され、オンラインカジノの紹介サイトに利用された

SEO対策の悪用

詐欺グループは以下の要素を悪用して検索上位を狙います:

  • 権威性のあるドメインからの被リンク
  • 公的機関のように見せかけたコンテンツ
  • 古いドメインの購入

個人や中小企業ができる対策

私がCSIRTの現場で見てきた被害事例をもとに、効果的な対策をご紹介します。

1. URLの確認を習慣化する

正規サイトのURLを事前に確認し、ブックマークしておくことが重要です。東京国立博物館の場合、正規のドメインは「www.tnm.jp」です。

2. アンチウイルスソフト の導入

現代のアンチウイルスソフト 0は、フィッシングサイトの検出機能が大幅に向上しています。リアルタイムでの脅威検出により、危険なサイトにアクセスしようとした際に警告を表示してくれます。

3. VPN の活用

特に海外のサイトを利用する際は、VPN 0の使用を強く推奨します。通信の暗号化により、中間者攻撃からの保護にもなります。

フォレンジック調査から見る被害の実態

私が担当した事例では、フィッシング詐欺の被害者は以下のような状況に陥っています:

個人の場合

  • クレジットカード情報の不正利用
  • 個人情報の悪用による二次被害
  • 復旧にかかる時間と費用の負担

中小企業の場合

  • 従業員が業務で偽サイトを利用し、企業情報が流出
  • 取引先からの信頼失墜
  • 情報漏洩による損害賠償リスク

検索結果に頼らない情報収集の重要性

今回の事例が示すように、検索エンジンの上位表示が必ずしも安全性を保証するものではありません。

CSIRT活動の中で感じるのは、多くの人が「検索上位=信頼できる」という思い込みを持っていることです。しかし、詐欺グループも同様に検索エンジン最適化(SEO)の技術を駆使している現実があります。

安全な情報収集のポイント

  • 公式サイトのURLを直接入力するか、信頼できる情報源からのリンクを使用
  • 不審なサイトでは個人情報の入力を避ける
  • 決済前に必ずSSL証明書の確認を行う

まとめ

東京国立博物館の偽サイト事例は、現代のフィッシング詐欺がいかに巧妙化しているかを示しています。個人情報やクレジットカード情報を守るためには、常に警戒心を持ち、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

特にアンチウイルスソフト 0VPN 0の組み合わせは、現代の脅威に対する基本的な防御策として効果的です。被害に遭ってからでは遅いため、予防的な対策を今すぐ始めることをお勧めします。

一次情報または関連リンク

東京国立博物館の偽サイトフィッシングサイトに注意
東京国立博物館の偽サイト(フィッシングサイト)に注意|セキュリティとITのニュース-セキュリティ対策Lab
2024年年末から東京国立博物館の偽サイト(フィッシングサイト:が確認されており、Bing検索に1ページ目に表示されますので注意が必要です。
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