ランサムウェア被害の現実:中小企業の75%が業務停止に追い込まれる
こんにちは。現役のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)として、日々企業のサイバー攻撃対応に従事している私から、深刻な現実をお伝えします。
2024年のランサムウェア被害統計を見ると、中小企業の約75%が攻撃を受けた際に業務停止に追い込まれています。特に製造業のA社(従業員50名)では、ランサムウェアによってサーバー上の全てのファイルが暗号化され、復旧に3週間、被害総額は約2,000万円に達しました。
このような被害の共通点は、バックアップデータまで暗号化されてしまうことです。通常のNASやネットワーク接続されたバックアップシステムでは、ランサムウェアがネットワーク経由でアクセスできるため、バックアップデータも一緒に暗号化されてしまうのです。
アイ・オー・データ「HDL2-HBシリーズ」の革新的な多層防御システム
そんな中、アイ・オー・データ機器が発表した法人向けNAS「HDL2-HBシリーズ」は、私たちフォレンジックアナリストから見ても非常に興味深い製品です。
1. 論理的オフライン設定による完全隔離
最大の特徴は、バックアップドライブが論理的にオフライン状態に設定されている点です。これは、ネットワークからアクセスできない状態を意味し、ランサムウェアが感染してもバックアップデータに到達できません。
実際の事例では、建設業のB社がランサムウェアに感染した際、メインシステムは暗号化されましたが、オフライン設定のバックアップにより、わずか半日で業務を復旧させることができました。
2. 10年以上データ消失事故ゼロの「RAIDeX」技術
アイ・オー・データ独自の冗長化技術「RAIDeX」は、提供開始以来10年以上にわたってデータ消失事故ゼロの実績を持っています。これは、ドライブ故障や操作ミスといった物理的なリスクにも対応できることを意味します。
実際の導入価格とコストパフォーマンス
型番 | 容量 | 価格(税込) | バックアップ専用容量 |
---|---|---|---|
HDL2-HB02/02 | 2TB | ¥206,800 | 2TB |
HDL2-HB04/04 | 4TB | ¥272,800 | 4TB |
HDL2-HB08/08 | 8TB | ¥368,280 | 8TB |
ランサムウェア攻撃による平均的な復旧費用(約500万円〜2,000万円)を考えると、この価格は非常にリーズナブルです。
フォレンジック調査でわかったランサムウェアの侵入経路
私が担当したフォレンジック調査の結果、ランサムウェアの侵入経路は以下の通りです:
- メール添付ファイル(45%):不正なOfficeファイルやPDF
- 脆弱性を狙った攻撃(30%):パッチ未適用のシステム
- RDP(リモートデスクトップ)経由(15%):弱いパスワード
- VPN経由(10%):設定不備や脆弱性
これらの侵入経路を考慮すると、単純にバックアップを取るだけでは不十分で、アンチウイルスソフト
やVPN
といった多層防御が必要になります。
HDL2-HBシリーズの5つの強力な防御機能
1. 冗長化技術「RAIDeX」採用
ハードウェア故障に対する強力な耐性を提供します。
2. 1台でデータの保存・共有とバックアップを実現
コスト効率的な運用が可能です。
3. ランサムウェアからバックアップデータを守るオフライン設定
これが最大の特徴です。
4. データ容量を抑えてバックアップの世代管理が可能
差分バックアップにより、ストレージ容量を効率的に利用できます。
5. 設定情報への不正アクセスを防ぐ複数のログイン認証機能
内部犯行や設定変更による被害を防ぎます。
実際の導入事例:法律事務所での活用
法律事務所のC社では、HDL2-HBシリーズを導入後、以下の効果を実感しています:
- 日次バックアップが自動化され、運用負荷が大幅に軽減
- ランサムウェア攻撃を受けた際も、バックアップデータが無事で迅速に復旧
- 顧客情報の保護に対する信頼度が向上
現役CSIRTが推奨する追加の対策
HDL2-HBシリーズは優れた製品ですが、完全なセキュリティのためには以下の追加対策も重要です:
エンドポイント保護の強化
アンチウイルスソフト
を導入することで、ランサムウェアの感染そのものを防ぐことができます。
ネットワーク通信の暗号化
リモートワークが増える現在、VPN
の導入は必須です。
定期的な脆弱性診断
Webサイト脆弱性診断サービス
を活用して、システムの弱点を事前に発見・修正することが重要です。
まとめ:真の多層防御でランサムウェアに立ち向かう
アイ・オー・データの「HDL2-HBシリーズ」は、ランサムウェア対策において非常に有効な製品です。特に、バックアップデータのオフライン設定は、現在のランサムウェア攻撃に対する最も効果的な防御方法の一つです。
ただし、完全なセキュリティのためには、NASだけでなく、エンドポイント保護、ネットワーク暗号化、定期的な脆弱性診断を組み合わせた多層防御が必要です。
企業のデータは、会社の生命線です。ランサムウェア攻撃で業務停止に追い込まれる前に、今すぐ適切なバックアップ戦略を構築することを強く推奨します。