ラック×KDDIがセキュリティのグローバル展開を本格化!海外拠点を狙うサイバー攻撃の実態と対策

海外拠点を狙ったサイバー攻撃が急増中

ラックとKDDIが手を組んで、サイバー攻撃対策向けセキュリティソリューションのグローバル展開を本格的にスタートさせました。この動きの背景には、海外拠点を標的としたサイバー攻撃の深刻化があります。

私がフォレンジック調査を行ってきた中で、特に印象的だった事例をお話ししましょう。ある製造業の企業では、東南アジアの工場がランサムウェア攻撃を受けました。現地のIT担当者は日本語ができず、本社のセキュリティチームは英語でのやり取りに苦戦。結果として初動対応が大幅に遅れ、被害が拡大してしまったのです。

なぜ海外拠点が狙われるのか

サイバー犯罪者たちは、海外拠点の弱点を熟知しています:

  • コミュニケーションの壁:言語の違いによる報告・対応の遅れ
  • セキュリティ体制の格差:本社と現地拠点でのセキュリティレベルの差
  • 法規制の違い:各国の法律に対応した適切な対処の困難さ
  • 時差による対応遅延:インシデント発生時の連絡体制の問題

実際、私が調査した案件の約6割で、海外拠点での初動対応が不適切だったことが被害拡大の要因となっていました。

ラック×KDDIの協業で何が変わるのか

今回の協業により、以下のサービスが強化されます:

1. グローバルサポート機能の設置

  • 「KDDIマネージドセキュリティサービス」に英語対応窓口を新設
  • ラックの「JSOC マネージドセキュリティサービス」でも英語サポート開始
  • セキュリティインシデントの報告・対応指示を海外拠点と直接実施

2. 英語版セキュリティレポートの提供

月次のセキュリティレポートを英語で提供することで、現地法人がリアルタイムで状況を把握できるようになります。

3. シンガポール拠点での日本語対応開始

ラックのシンガポール拠点「JSOC MSS Lite for Global biz.」では、英語に加えて日本語での問い合わせ対応も始まります。

中小企業も無関係ではない!実際の被害事例

「うちは小さな会社だから関係ない」と思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

事例1:地方の製造業A社の場合

従業員50名の製造業A社では、海外の取引先からのメールを装ったビジネスメール詐欺により、約800万円の被害を受けました。英語のやり取りの中で、巧妙に偽装された送金指示に騙されてしまったのです。

事例2:IT企業B社の海外展開での落とし穴

アジア進出を果たしたIT企業B社では、現地スタッフが不正なソフトウェアをダウンロードしたことから、会社全体のネットワークが感染。顧客データ約1万件が流出し、損害賠償と信頼回復に約2年を要しました。

これらの事例からわかるのは、規模に関係なく、グローバル展開や海外との取引を行う企業は、適切なセキュリティ対策が必須だということです。

今すぐできる!個人・中小企業向けセキュリティ対策

大企業向けのマネージドセキュリティサービスは敷居が高いかもしれませんが、基本的な対策は今すぐにでも始められます。

1. 個人・SOHO向けの基本対策

まずは信頼性の高いアンチウイルスソフト 0の導入が基本中の基本です。特に海外とのメールのやり取りが多い場合、マルウェアの感染リスクが高まります。

2. リモートワーク・海外出張時の対策

海外出張や現地でのリモートワーク時には、VPN 0の利用が欠かせません。公共Wi-Fiや現地のインターネット接続は、盗聴やデータ傍受のリスクが常に存在します。

3. Webサイトを運営している企業向け

自社のWebサイトが攻撃の踏み台にされるケースも急増しています。定期的なWebサイト脆弱性診断サービス 0により、脆弱性を早期発見・修正することが重要です。

フォレンジック調査から見えてきた攻撃の手口

最近の調査事例から、攻撃者たちがよく使う手口をご紹介します:

1. 多言語対応の詐欺メール

以前は英語だけだった詐欺メールも、今では日本語、中国語、韓国語など多言語に対応。現地スタッフを狙い撃ちしてきます。

2. 現地の文化・習慣を悪用した攻撃

各国の祝日や文化的イベントに合わせたフィッシング攻撃が増加。現地スタッフの警戒心を下げる巧妙な手口です。

3. 時差を利用した攻撃

日本の本社が業務時間外の時間帯を狙って攻撃を仕掛け、発見・対応を遅らせる戦術も確認されています。

セキュリティ投資は「コスト」ではなく「投資」

多くの経営者の方が「セキュリティ対策はお金がかかるだけ」と考えがちですが、これは大きな誤解です。

被害を受けた場合のコスト試算

実際の調査事例から算出した、セキュリティインシデント発生時の平均コストは以下の通りです:

  • フォレンジック調査費用:300万円〜1,000万円
  • システム復旧費用:500万円〜2,000万円
  • 業務停止による機会損失:1,000万円〜5,000万円
  • 顧客対応・法的対応費用:200万円〜800万円
  • 信頼回復にかかる期間:平均1.5年〜3年

これに対し、適切なセキュリティ対策への投資は、これらのコストと比較すると非常に安価です。

2025年以降のセキュリティトレンド予測

AIの普及に伴い、サイバー攻撃も高度化・自動化が進んでいます。特に注目すべきトレンドは:

1. AI を活用した攻撃の増加

機械学習を使った標的型攻撃の精度向上により、従来の対策では防げない攻撃が増加予測。

2. 多言語対応の自動化

AI翻訳技術の向上により、あらゆる言語での詐欺・攻撃メールが容易に作成可能に。

3. IoTデバイスを狙った攻撃

海外拠点の監視カメラやスマート機器を狙った攻撃が急増する見込み。

まとめ:今すぐ行動を起こそう

ラックとKDDIのセキュリティソリューション グローバル展開は、企業のサイバーセキュリティ対策の新たなスタンダードを示しています。しかし、大企業向けのサービスを待っているだけでは、あなたの会社や個人情報は守れません。

フォレンジックアナリストとして多くの被害現場を見てきた経験から断言できるのは、「備えあれば憂いなし」ということです。小さな対策の積み重ねが、大きな被害を防ぐのです。

今日からでも遅くありません。まずは基本的なセキュリティ対策から始めて、段階的にレベルアップしていきましょう。あなたの大切なデータと信頼を守るために、今すぐ行動を起こしてください。

一次情報または関連リンク

ラックとKDDI、セキュリティソリューションのグローバル展開を本格化 – Yahoo!ニュース

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