Googleアカウントハッキングが急増中!あなたのアカウントは大丈夫?
最近、私のもとにも「Googleアカウントが乗っ取られてしまいました」という相談が急激に増えています。実際、Googleが公式に発表した数字は衝撃的でした。
メール経由のパスワード窃取攻撃が昨年比84%増加し、2025年に入ってさらに激化しているというのです。
現役のフォレンジックアナリストとして数々の事案を見てきましたが、これは本当に深刻な状況です。実際の被害例を見ていきましょう。
実際にあったGoogleアカウント乗っ取り事例
先月対応した案件では、30代の女性会社員のGoogleアカウントが乗っ取られ、以下のような被害に遭いました:
- 復旧用電話番号とメールアドレスを勝手に変更される
- パスワードも変更され、完全にアクセス不可に
- Gmail内の機密情報(取引先とのメール、銀行からの通知など)がすべて筒抜け
- Google Payに登録されたクレジットカード情報が悪用される
さらに恐ろしいのは、攻撃者がパスキーを追加して、正規のユーザーがログインしようとするたびにQRコードやデバイス認証を要求してくる手口です。これにより、被害者は完全にアカウントから締め出されてしまいます。
なぜGoogleアカウント攻撃が急増しているのか?
Googleのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターのアンディ・ウェン氏によると、攻撃手法が巧妙化していることが主な原因です。
主な攻撃手法
- フィッシング攻撃:成功した侵入の37%を占める
- 認証情報窃取:巧妙な偽サイトでログイン情報を盗む
- クッキー・認証トークンの窃取:指数関数的に増加中
- インフォスティーラーマルウェア:個人情報を根こそぎ奪う
特に最近増えているのが、「私はロボットではありません」のCAPTCHA画面を悪用した手口です。一見正規のGoogle認証画面に見えますが、実際は偽サイトで認証情報を盗まれてしまいます。
Googleアカウントが乗っ取られた時の復旧手順
万が一アカウントが乗っ取られてしまった場合、パニックになる必要はありません。適切な手順で対処すれば復旧できる可能性があります。
1. まずは冷静に状況を把握する
- ログインできるデバイスがないか確認
- 復旧用メールや電話番号が変更されているかチェック
- 不審な活動の痕跡を記録
2. Googleアカウント復旧ページにアクセス
ブラウザで「accounts.google.com/signin/recovery」にアクセスし、復旧プロセスを開始します。
3. 段階的な認証を試す
- 最後に覚えているパスワードを入力
- 復旧用メールまたは電話番号による認証
- 以前使用していたパスワードでの認証
- アカウント作成時期などの質問に回答
4. それでもダメな場合
Googleサポートに直接連絡し、本人確認書類を提出する必要があります。この際、以下の情報を用意しておくと復旧がスムーズになります:
- 身分証明書
- アカウント作成時期の記録
- 最近使用したデバイス情報
- 頻繁に連絡を取る相手のメールアドレス
二度と被害に遭わないための予防策
復旧できたとしても、再び攻撃を受ける可能性があります。以下の対策を必ず実施してください。
1. セキュリティソフトの導入
まず何より重要なのが、信頼できるアンチウイルスソフト
を導入することです。最新のマルウェアやフィッシング攻撃から保護してくれます。
2. VPNで通信を暗号化
公共Wi-Fiを使用する際は必ずVPN
を使用しましょう。通信を暗号化することで、認証情報の盗聴を防げます。
3. 2段階認証の強化
- SMS認証よりもAuthenticatorアプリを使用
- 複数の認証方法を設定
- バックアップコードを安全な場所に保管
4. パスワード管理の徹底
- すべてのサービスで異なるパスワードを使用
- 定期的なパスワード変更
- パスワード管理ツールの活用
企業の方へ:組織的な対策も重要です
個人だけでなく、企業のGoogleアカウント(Google Workspace)も狙われています。実際に対応した事例では、中小企業の営業担当者のアカウントが乗っ取られ、顧客情報が大量に流出してしまいました。
企業では以下の対策が必要です:
- 従業員へのセキュリティ教育の徹底
- 管理者による定期的なセキュリティ監査
- アクセス権限の適切な管理
- Webサイト脆弱性診断サービス
による脆弱性チェック
特にWebサイト経由での攻撃が増えているため、定期的な脆弱性診断は欠かせません。
まとめ:今すぐできる対策を実行しよう
Googleアカウントのハッキング被害は誰にでも起こりうる問題です。しかし、適切な対策を講じることで被害を未然に防ぐことができます。
今すぐ実行すべきこと:
- 信頼できるアンチウイルスソフト
を導入
- 2段階認証の設定確認
- 復旧用情報の最新化
- 怪しいメールやリンクには絶対にアクセスしない
被害に遭ってから後悔するよりも、今のうちにしっかりと対策を講じておきましょう。セキュリティは「投資」だと考えて、必要な対策には惜しまずにコストをかけることが重要です。