医療機関がランサムウェア攻撃を受けたら?フォレンジック調査で分かった驚愕の事実

医療業界でのサイバー攻撃が急増している中、株式会社両備システムズが「国際モダンホスピタルショウ2025」で医療機関向けセキュリティサービス「Ryobi-MediSec」を出展するというニュースが話題になっています。

しかし、実際に医療機関がサイバー攻撃を受けた場合、どのような被害が発生し、どんなフォレンジック調査が必要になるのでしょうか?現役のCSIRTメンバーとして、これまで対応した事例をもとに解説していきます。

医療機関を狙うサイバー攻撃の実態

医療機関は「宝の山」とも呼ばれるほど、サイバー犯罪者にとって魅力的なターゲットです。なぜなら:

  • 患者の個人情報(氏名、住所、病歴など)
  • クレジットカード情報
  • 保険関連データ
  • 研究データや臨床試験結果

これらの情報は、ダークウェブで高値で取引されるからです。

実際のランサムウェア攻撃事例

昨年対応した某地方病院の事例では、職員のメール経由でランサムウェアが侵入しました。フォレンジック調査の結果、以下のような被害状況が判明:

  • 電子カルテシステムが完全停止
  • 予約システムへのアクセス不可
  • 患者データ約15,000件が暗号化
  • 身代金要求額:約5,000万円

病院は3日間の診療停止を余儀なくされ、復旧費用だけで2億円以上かかりました。

フォレンジック調査で判明する攻撃の手口

医療機関への攻撃パターンは主に以下の3つです:

1. フィッシングメール経由

実際の事例では、「COVID-19関連の重要通知」という件名のメールから、職員がマルウェアをダウンロードしていました。ログ解析により、初期侵入から横展開まで約72時間で完了していることが判明しました。

2. リモートアクセス経由

コロナ禍でリモートワークが増加した際、VPN脆弱性を悪用した攻撃が急増。ある中規模病院では、古いVPNソフトの脆弱性から侵入され、内部ネットワークに潜伏していた期間が6ヶ月に及んでいました。

3. IoT機器経由

医療機器のIoT化が進む中、セキュリティが脆弱な機器を踏み台にした攻撃も確認されています。フォレンジック調査では、CTスキャナーのネットワーク接続部分が入り口となっていた事例もありました。

個人でもできるセキュリティ対策

医療機関のような大規模なセキュリティ対策は個人には難しいかもしれませんが、基本的な対策は共通しています。

エンドポイント保護の重要性

フォレンジック調査で最も重要なのは、攻撃の初期段階での検知です。アンチウイルスソフト 0があれば、マルウェアの侵入時点でブロックできる可能性が高まります。

実際、ある診療所では職員の個人PCに高性能なアンチウイルスソフト 0を導入していたことで、ランサムウェアの暗号化処理を途中で止めることができ、被害を最小限に抑えられました。

通信の暗号化

医療機関では外部からのリモートアクセスが多いため、VPN 0による通信暗号化は必須です。フォレンジック調査では、平文通信を盗聴されてログイン情報が漏洩した事例も確認されています。

被害を最小化するために今すぐできること

定期的なバックアップ

ランサムウェア攻撃を受けても、適切なバックアップがあれば身代金を支払わずに済みます。ただし、バックアップデータ自体も暗号化される事例が増えているため、オフライン保存が重要です。

セキュリティ意識の向上

フォレンジック調査で判明する事実の90%以上は「人的ミス」が関わっています。怪しいメールの添付ファイルを開かない、不審なサイトにアクセスしないといった基本的な注意が最も効果的です。

早期発見システムの導入

攻撃を完全に防ぐことは困難ですが、早期発見によって被害を最小化することは可能です。異常なネットワーク通信やファイルアクセスを監視するシステムの導入を検討しましょう。

まとめ:備えあれば憂いなし

医療機関でのサイバー攻撃は増加の一途をたどっており、個人情報の価値も高まっています。フォレンジック調査の現場で見てきた被害を最小化するためには、事前の対策が何より重要です。

アンチウイルスソフト 0VPN 0といった基本的なセキュリティツールの導入から始めて、段階的にセキュリティレベルを向上させていくことをお勧めします。

サイバー攻撃は「もし起こったら」ではなく「いつ起こるか」の問題です。今すぐできる対策から始めてみませんか?

一次情報または関連リンク

株式会社両備システムズ、「国際モダンホスピタルショウ2025」に出展

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