ウイルスバスタークラウドに重大な脆弱性発見!個人情報を守るための緊急対策とは

トレンドマイクロのウイルスバスタークラウドで深刻な脆弱性が発覚

セキュリティソフトの大手であるトレンドマイクロの「ウイルスバスター クラウド」において、攻撃者によってファイルやフォルダが削除される可能性のある脆弱性が発見されました。Japan Vulnerability Notes(JVN)が2025年6月23日に公開したこの情報は、個人や中小企業のセキュリティ担当者にとって見過ごせない重要な内容です。

発見された脆弱性の詳細

今回公開されたのは「CVE-2025-49384」と「CVE-2025-49385」の2つの脆弱性です。これらの脆弱性により、ローカルの攻撃者が任意のファイルやフォルダを削除できる可能性があります。

影響を受ける製品と環境:

  • 製品:ウイルスバスター クラウド(月額版を含む)
  • バージョン:17.8
  • プラットフォーム:Windows

実際のサイバー攻撃事例から学ぶリスク

フォレンジック調査の現場では、アンチウイルスソフトの脆弱性を悪用した攻撃が実際に発生しています。過去の事例では、セキュリティソフトの権限を悪用して重要なシステムファイルを削除し、企業の業務を完全停止させた攻撃が確認されています。

緊急対応とアップデート手順

幸い、トレンドマイクロは6月13日時点で修正版(バージョン17.8.1464以降)をリリース済みです。対象バージョンを使用している場合は、以下の手順で即座にアップデートを実行してください:

  1. ウイルスバスター クラウドのメイン画面を開く
  2. 自動配信設定が有効になっていることを確認
  3. 手動でアップデートチェックを実行
  4. バージョンが17.8.1464以降になっていることを確認

多層防御の重要性

今回の事例は、単一のセキュリティソフトに依存することのリスクを浮き彫りにしています。CSIRTの現場では、複数のセキュリティ対策を組み合わせた多層防御が推奨されています。

特に重要なのが以下の対策です:

  • 信頼性の高いアンチウイルスソフトの導入
  • 通信の暗号化とプライバシー保護のためのVPNの活用
  • 定期的なセキュリティアップデートの実施
  • 従業員へのセキュリティ教育の徹底

中小企業が直面するセキュリティリスク

中小企業では、専門のセキュリティ担当者がいないことが多く、こうした脆弱性情報への対応が遅れがちです。実際のインシデント対応では、脆弱性を放置していた企業が標的型攻撃の被害に遭うケースが頻発しています。

特に危険なのは、攻撃者がセキュリティソフトの脆弱性を悪用して、その他のマルウェア検知を回避する手法です。これにより、ランサムウェアや情報窃取マルウェアの感染リスクが大幅に増加します。

今すぐできる追加のセキュリティ対策

ウイルスバスターのアップデートに加えて、以下の対策も併せて実施することをお勧めします:

1. 通信の暗号化
在宅ワークやカフェでの作業時には、VPNを使用して通信を暗号化しましょう。公衆Wi-Fiでの作業は特にリスクが高いため、信頼できるVPNサービスの利用が必須です。

2. セキュリティソフトの見直し
今回の件を機に、現在使用しているアンチウイルスソフトが本当に最適かを検討してみてください。複数のセキュリティベンダーの製品を比較し、最新の脅威に対応できるものを選択することが重要です。

定期的な脆弱性チェックの習慣化

今回のような脆弱性情報は日々発表されています。セキュリティを維持するためには、以下のような情報源を定期的にチェックする習慣をつけましょう:

  • JVN(Japan Vulnerability Notes)
  • 各セキュリティベンダーの公式サイト
  • JPCERT/CCの脆弱性情報

まとめ:プロアクティブなセキュリティ対策を

今回のウイルスバスター クラウドの脆弱性は、迅速な修正パッチの提供により大きな被害は回避されましたが、これを機にセキュリティ対策全体を見直すことをお勧めします。

単一のセキュリティソフトに頼るのではなく、アンチウイルスソフトVPNを組み合わせた多層防御により、より強固なセキュリティ環境を構築できます。

特に中小企業では、限られたリソースの中で効果的なセキュリティ対策を実現する必要があります。コストパフォーマンスに優れた信頼性の高いセキュリティソリューションを選択し、定期的なアップデートと脆弱性対応を怠らないことが、長期的な事業継続の鍵となります。

一次情報または関連リンク

ASCII.jp – ウイルスバスタークラウドの脆弱性情報

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