生成AIを悪用したフィッシング詐欺が急増中!あなたのクレカ情報は大丈夫?現役CSIRTが教える対策法

まさか生成AIがフィッシング詐欺に使われる時代が来るとは…

先日、大阪府警が発表した事件には正直驚きました。なんと生成AIを使って精巧なフィッシングサイトを作成し、約800件ものクレジットカード情報を盗んだ容疑者が逮捕されたんです。

現役のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)メンバーとして数々のサイバー攻撃事案を調査してきた私ですが、この手口の巧妙さには改めて警戒が必要だと感じています。

事件の詳細:生成AIで作られた精巧な偽サイト

今回逮捕された2人の容疑者は、生成AIを活用して大手通販サイトにそっくりなフィッシングサイトを作成していました。手口はこうです:

  1. 生成AIで本物そっくりの偽サイトを作成
  2. 「パスワードの変更を推奨します」などの虚偽SMSを大量配信
  3. 偽サイトに誘導してログイン情報を盗取
  4. 盗んだクレジットカード情報で約2000万円分の商品を購入

フォレンジック調査で見えてきた被害の実態

私が過去に担当したフォレンジック調査でも、似たような手口の被害が急増しています。特に印象に残っているのは、中小企業の経理担当者がフィッシングメールに騙され、会社の口座情報を入力してしまった事案です。

その時の調査では以下のような痕跡が見つかりました:

  • ブラウザの履歴に怪しいURLへのアクセス記録
  • メールクライアントに巧妙に偽装されたフィッシングメール
  • システムログに不審な外部通信の記録

この企業は幸い早期発見により被害を最小限に抑えられましたが、発見が遅れていたら数百万円の損失は避けられませんでした。

生成AIの普及で変わるサイバー犯罪の脅威レベル

従来のフィッシングサイトは、日本語が不自然だったり、デザインが粗雑だったりと、注意深く見れば見破ることができました。しかし生成AIの登場により、この状況は一変しています。

現在私たちが直面している新たな脅威:

  • 自然な日本語で書かれた巧妙なフィッシングメール
  • 本物と見分けがつかない精巧な偽サイト
  • 個人の行動パターンを学習した標的型攻撃

個人でできる効果的な対策方法

CSIRTでの経験を踏まえ、個人の方ができる実践的な対策をお伝えします:

1. 信頼できるアンチウイルスソフト の導入

多くの被害事例を見てきて痛感するのは、基本的なセキュリティ対策の重要性です。最新のアンチウイルスソフト 0は、フィッシングサイトのURLをリアルタイムでブロックしてくれます。

特に以下の機能があるものを選ぶことをお勧めします:

  • リアルタイムフィッシング検知
  • メール保護機能
  • Webブラウジング保護

2. VPN で通信を暗号化

公共Wi-Fiを使用する際は特に注意が必要です。信頼できるVPN 0を使用することで、通信内容を暗号化し、第三者による盗聴を防げます。

3. 二要素認証の設定

パスワードが漏洩しても、二要素認証があれば不正アクセスを防げます。可能な限りすべてのオンラインサービスで設定しましょう。

怪しいメッセージを受信した時の対処法

実際にフィッシング被害の調査を行う中で、被害者の多くが「なんとなく怪しいと思ったけど…」と話されます。この「なんとなく」の感覚を大切にしてください。

疑わしいSMSやメールを受信した場合:

  1. リンクを絶対にクリックしない
  2. 送信者の正当性を公式サイトで確認
  3. 急を要する内容でも一度冷静になる
  4. 家族や友人に相談する

企業担当者の方へ:従業員教育の重要性

私が調査した事案の約7割は、従業員の不注意によるものでした。定期的なセキュリティ研修と、実際のフィッシングメールを使った訓練が効果的です。

また、万が一の際に備えて、以下の体制を整えておくことをお勧めします:

  • インシデント対応チームの設置
  • フォレンジック調査会社との事前契約
  • 従業員への報告ルートの明確化

まとめ:日頃からの備えが被害を防ぐ

生成AIを悪用したサイバー犯罪は今後さらに巧妙化していくでしょう。しかし、適切な対策を講じることで被害は十分に防げます。

特に重要なのは:

サイバー犯罪者は常に新しい手口を考えています。私たちも負けずに、最新の対策を取り続けることが大切ですね。

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